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第41回-インタラクティブ展示会

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我々、光ファイバ通信関係者にとって世界最大の学会・展示会と言えば、毎年春に米国で行われるOFC(The Optical Fiber Communication Conference and Exposition)である。
出来れば毎年行きたいと考えているが、年度末の3月に1週間も東京を空けるのは中々大変で、昨年、今年と行きそびれている。さすがに来年は行かなければマズイだろう。

さてそのOFCに最後に参加した2012年3月、会場のロサンゼルス・コンベンション・センターで米国流の仕事術というか、ナンというかを目撃した。向うのエンジニアの多くは実にベッタリと、床に座り込んでPCやタブレット、スマホで何かやっているのである。話を聴いてみるとメールチェックと同時にツイッターやFACEBOOKなどで展示会、学会の情報を収集しているらしい。
日本では…床には座り込まないだろう。タブレットの人気もヒマひとつ。適当なベンチを見つけて、折り目正しく姿勢よく、パナソニックあたりのノートPCを叩くのが日本流(?)というところか。内容的には主に日本からのメール対応が中心か?

そしてそのOFC会場で、私もツイッターなどを見てみると、#OFC2012のハッシュタグ、その他各メーカー名や技術、製品名のハッシュタグなどが乱立し、デモの予告や展示品の紹介などをしている。ううむ、ヌカッタ…。

実はこの時、私はコンサルタント先の出展支援で渡米しており、コンサルタント先企業(OFC初出展)の社員と一緒に、各社のブースを回ったり、会場で重要人物を捕まえたり、時にブースで説明員を務めていた。展示物やパンフレットはもちろん、どこの企業の、どのような人を捕まえるかまで、綿密に準備したつもりだったが…ツイッター対策の準備まではしていなかった。失敗!

実はそれほど難しいことではないだろう。まず展示会名のタグに乗っかって出展アピール、その英文は事前に何パターンか作っておく、ツイート時間も効果的なタイミングをざっくり考えておく、特に人を呼びたいときは何かキャッチーな内容で効果のありそうなタグに絡めて…。

いまならいくらでも思いつくが、なにしろ2年以上前のこと。光ファイバ通信などというB to Bの地味な展示会で、ツイッターを駆使すべし、とまでは考えが回らなかったのだ。当時もすでに消費財、特に食品や化粧品などではツイッターは頻繁に使われていたが、金属加工技術などをツイッターで、リアルタイムにPRすることが有効とは…。

あまり詳しく書くとコンサルのネタがバレるのでここまで。あれから2年、今ならツイッターにLINE、あとはどこまでをインタラクティブ・ツールの対象とするか? いまや取捨選択が課題となる。

第40回-遠いアメリカ

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前回のブログで「山積みにした古雑誌に埋もれながら、そもそも海外の、特に米国の光工学・光ファイバ通信専門誌から情報を得ることが少なくなってしまったことを痛感した」と書いた。海外の専門誌に関して、ここ10年の間で変化したことがもうひとつある。日本企業からの広告出稿が減ったのである。

10年前、いや、10年以上前、2000年から2002、3年頃まで、私のいる光通信業界の日本企業がこぞって海外の専門誌に広告を出稿していた。15年くらい前のこと、私自身がまず精密機械メーカーのマーケティング・ディレクターとして米国の専門誌に出稿。2002年の独立後はクライアント時代の経験を活かして海外向け広告専門の二次代理店業務も行った。さらに年に2、3回は自分の会社の広告も出稿していた。
さて、代理店として最後に海外向け広告をハンドリングしたのはいつだったか、そもそも自社広告を最後に出稿したのは何年前だったか…。ウソのような話だが、当時は海外まで色分解した原版フィルムを郵送していたのだ。ひえー! 懐かしすぎる! ちなみに「膜面下」は「emulsion side down」と言う。

海外向け広告専門の二次代理店時代の必殺トークが、「この媒体への出稿は、アメリカ、ヨーロッパ向けであると同時に、日本の同業他社に向けたアピールでもあるんですヨ!」だった。
海外戦略に意欲的な企業は専門誌も熱心にウォッチしており、日本のどんな企業が、どんな広告を出しているかもじっくりとチェックしている(←ホントに)。そこでグッと差のつくような良い広告を出すと、「お、**さん本気で海外ビジネスをやる気だな」となり、ライバルには強気のアピール、日本国内の取引先でも好印象を与えることが出来ます!…というわけだった(←過去形)。

このあたりの事情はここ10年の間に激変した観がある。そもそも紙媒体の海外業界誌を読む習慣は激減してしまっただろう。ネットのメールニュースを読むか、決まったニュースサイトを定期巡回するか、あるいは月刊誌を電子書籍版で読むか。
こうなると紙媒体への広告出稿よりもバナーや広告・キャンペーンリンクで自社サイトに誘導する方が効率的となって来る。月刊誌をPDFで読む場合は、必要なところに飛んだり、拡大したりしながら読むので、隅のほうに出ている広告など読みとばされる可能性大である。
自社サイト自体の強化は言うまでもない。他国語化、SEO対策、頻繁な更新と内容の充実など、雑誌広告にカネと労力をかけるならば、自社のWebページを徹底的に充実させた方がよほど効果的であろう。いや、自社サイトだけではない。ツイッターもあればFACEBOOKもあればLINEもある。経営者のブログも重要だ。

こうした媒体の変化と同時に、海外戦略自体の変化もある。つい10年前まで、海外専門誌への現地語広告の出稿は「海外戦略始めました」のアナウンスとして一般的だったのだが、今はどうだろうか? むしろ何らかのツテを伝って、直接現地に乗り込んでしまう方が多いのではないだろうか。実際に、現在のクライアントの数社が、その手法を採っているか、あるいは準備さえ出来ればすぐにでも飛び出したいと考えている。アメリカもヨーロッパもそして東南アジアも、今や本当に近くなっているのだ。

そしてもうひとつのポイント、「日本の同業他社に向けたアピール」についてはどうだろう? 当時の海外向け広告出稿が、今は海外展示会出展になっているようにも思う。現地展示会への出展は今でも盛んに行われており、同じ展示会に出展した企業同士は、たとえ競合であったとしてもなんとなく、「同じ釜のメシ」的な雰囲気にもなる。
あとはまったく外部に知られることなく、隠密行動で粛々と海外戦略を進めて行く企業もある。つまりは「海外だから」と特別な営業戦略を考えることはなく、日本国内と同じ進め方がアタリマエになったということか。

10年以上前、確かに海外専門誌に英語の広告を出すとなったら、それはもう大騒ぎで。掲載内容、デザイン、ネイティブに通じる英語と洒落たキャッチコピー、そして問い合わせ先を誰にするか等々。為替もまだまだドル高で、費用の捻出も大変だった…マーケティング戦略における「遠いアメリカ」の一例のようにも思える。わずか10年のことなのだが…。

(引用したソニーの海外向け広告。左の女性はどう見ても金髪のカツラをかぶった日本人だよなぁ! 素晴しき哉われらが先人よ…)

第34回-会社を「回す」

前回のブログに「何を持って起業したか?それは法人登記が完了する頃に集中的にやった一連の作業で、自分の会社は”会社”と呼べる態勢が整った。明日からはいつ、どこの誰から電話やメールが来てもスムズに対応出来ると確信した日が、それが本当の”起業の日”だった」と書いた。
具体的にはロゴタイプを決めて名刺を作り、Webを整え、会社案内もちゃんと印刷した冊子で作り…といった作業を終え、「全く初対面の、誰が来てもビジネスが出来るオープンな企業であるという準備」が完了した日が本当の意味での起業の日であろうと。

しかし、いま挙げたようなロゴタイプや名刺、Web、会社案内などはそれなりのものを作ろうと思えばそれなりの費用がかかる。「お金がないので自分で…」と考えている人も多いが、「自分で作った素人丸出しのWebならば、作らない方がマシ」というマーケティング界の至言もある。
プロに発注する費用がないのか、あるいはあっても「勿体ない」と考えるのか、いずれにせよそんなところをケチるような経営者ならば、会社自体のキャッシュフロー状態や、ビジネスのレベルも推して知るべしというわけである。

あまりにも当たり前のことだが、設立当初の企業経営を図式化してみる。

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スタートは左上だろう。自己資金、または然るべき投融資を原資として、技術・製品(あるいはサービス)を「商品」レベルまでカタチにして、同時のその企業としての存在をPRする。この両輪が揃って、企業としての信用を得て契約に至り、販売(契約)が成立し、売上を得る。それが一回りして原資となる。このサイクルこそが「会社を回す」ということだろう。

売上が大きければ、つまり右から左に戻るキャッシュが大きければ、設備投資やPRの充実が計れ、雪だるま式にキャッシュフローが増大する「好循環」が起こる。これが「会社が大きくなる」ということだ。
但しそれは理想論であって、場合によっては金融機関からの融資を受け、先行投資的に(一時的に)「原資」を増大させる場合もあるだろう。これも悪い話ではない。「会社は借金を繰り返して大きくなる」とも言うし、私自身、融資元銀行との真剣勝負で鍛えられた事柄も多い。
そして逆に売上が少なければ、次第にこのサイクルがシュリンクして、やがて停止する。会社が回らなくなる。

では、企業活動が停止するのは売上の現象のみであろうか? 実はもうひとつ、「サイクル・モデルの相違」も考えられる。次のB図を見てほしい。

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「売上が上がれば色々とやりたいが、まずは最小のところから始めたい」-コンサルタント先の数々の企業(特にベンチャー)で何社も何社も、何回も何回も聞いた言葉だが、果たしてこのB図の赤いサイクルで企業は回るものだろうか?

もちろん限定的な製品や技術、売上規模、企業規模の中では回るかもしれないが、あまりにも「限定的」すぎはしないだろうか? 決してこれを間違いと言うつもりはないが、少なくとも私の考える起業、企業モデルとは異なる。

「広告をしないものはこの世に存在しないのに等しい」と言ったのは、昭和の名コラムニストにして雑誌『室内』編集長だった山本夏彦。「仕込みをケチれば、上がりも少ない」と言ったのは「永田ラッパ」のあだ名で知られる日本映画全盛期の大映社長・永田雅一。あまりにも昭和な例えだが、このあたりは「技術経営」(MOT:Management of Technology)が話題となる平成25年の今でも変わっていないように思うのだが…。

第8回-展示会を無料でフル活用?!

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前回、高い費用を掛けて出展した国内外の展示会の、効果的な事後フォローについて説明した。いわば、「展示会戦略・出展編」だ。今回は費用を掛けず、会場に行くことで、出展社並、場合によっては出展社以上の効果を出す手法について。「展示会戦略・見学編」といえる。

ポイントは事前準備だ。ステップで書いてみよう。まず自社が売りたい製品、やりたいビジネスを考える。次にそれが使われる製品を考える。そして出展社リストをWebからExcelに取り込み、◎、○、△などを付けて行く。最近は展示会サイトも良く出来ているので、例えば「自社製品Aが使われる、製品Xの製造企業」をリストアップすることも可能だろう。

これくらいは個人でも、Webのプリントアウトにマーカーを引いたりして、やっている人も多いだろう。問題はこの次だ。訪問用資料と質問票を作る。自社製品のごく簡単な説明と、あとで集計しやすい内容の質問票。これがあれば、1日の展示会訪問で膨大な量の新規営業を行ったのと同じ効果がある。この訪問戦略、意外に「受け身」で効果が限定的なブース出展よりも良い結果をもたらすこともある。

気をつけたいのは、訪問時にアピールする製品を可能な限り「絞る」ことだ。出来れば1アイテム、多くても2、3アイテム(基本アイテムのタイプ違い程度)が望ましい。来場者対応で忙しいブースの中で、「ウチの会社は江戸時代の創業で…」とか、「これが弊社の全製品です。まずXX事業部では…」などと延々やられたら、そりゃもう単なる「迷惑な客」でしかない。また、アイテムは絞れば絞るほど、訪問先企業の製品とのマッチングは熟考されていればされているほど、「本気度」が高くなって、先方も話にノッて来るだろう。

こんなブース訪問を国内外で何回も行ったことがある。ある光源を導入してくれそうな顧客を、事前に選別して、3人がかりで会場のエリアを分けて歩きまわったこともある。
そして終了後にデータを持ち寄って統合。当然「いいですね。検討しますよ」という話だけではなく、「そんな製品ならば不要」という声も多い。しかし、それも貴重な意見。「なぜ不要なのか?どうすれば有用なものになるのか?仕様なのか、価格なのか、時期なのか?あるいは方式論なのか?」こうした意見を集約するうちに、自分たちの作るべき、あるべき製品像が見えて来る。
顧客候補についても同様。どのタイプの顧客が好感触で、どのタイプが空振りだったかを知れば、展示会出展社以外の顧客候補検討時にもターゲットが絞り易い。
大衆消費財ではポピュラーな手法だが、我々工業系生産財の場合でも、製品にしても、顧客にしても、サンプル数を出来る限り多く採って、傾向(トレンド)で見えて来る販売戦略というものがあるのだ。

これはズバリ、金をかけずに手間をかける手法だ。こんな時代だからこそ、特に注目したい。

第7回-展示会の後は何をする?

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盛夏も一段落…していないようだが、秋の展示会シーズンがはじまる。未曾有の大不況とやらでさすがに減ってしまったが、2000年代の初め、当社の重要なビジネスに国内・海外展示会の出展コンサルティングがあった。

製品・サービス・企業の特性、販売ターゲットの特性、販売対象エリア、その他さまざまな条件から、最も効率的と思われる展示会を紹介して、出展までの諸作業をサポートする。今は統合や廃止が進み数が減ってしまったが、一時は専門とする光工学分野だけで国内・海外合わせて数十件もの展示会リストをアップデートしていたほどだ。

今日の話題は展示会選択や出展準備ではなく、その「事後処理」について。各社の展示会出展をお手伝いして、本当に、心から「もったいない!なぜ?!」と思ったのが、出展時に得られた来場者情報をほったらかしにしている企業が多いということだ。

理由は「どんな会社か調べるのが大変」、「どのようにコミュニケーションをとれば良いのかわからない」、そして「今後の自社のビジネスにどのように関係して来るのかがわからない」等々。
「それならば出展しなければいいのに」とまで思えて来るが、「ともかく出展しろ」という上司や組織と、実務を任された(何から何までやらされる)担当者にギャップがあって…という気がしなくもない。

リーマンショック以降、広報宣伝費は削減の方向にあり、一時ほどの展示会出展攻勢も採られてはいないようだが、逆に考えると、そんな時代だからこそ、最大の効果を生む展示会出展方法が気になって来る。

実は過去に数回、上記のような「ブース来場者に対する事後のフォロー」のみを受注したことがある。どうやるか? まずブース来場者の一覧をExcelのワークシートで貰う。項目は氏名、会社名、部署名。1行1名で100人のデータならば100行になる。
列方向、横軸がポイントで、上述した来場者の基本情報以外に「A:来場者の所属企業が作っている製品」と、「B:依頼元クライアント企業が作っている製品」が来る。Aは空欄にしておき、製品名を手で入力。Bは主力商品名を乱しにして、○×を入れる枠のみ用意しておく。これで準備は完了。

そして実作業は1名ずつ、1社ずつ会社のWebにアクセスして、業種や製造製品を確認。製品名やコメントを記入し、当社の判断で、「その会社には何が売れるか、売れないか」を○×で入力して行く。
「コンサルタントのノウハウを完全にオープンにしてしまって…」と思うかもしれないが、いや、この作業は本当に大変! 1時間に数名しか出来ず、数十名分の調査をするのに膨大な時間がかかる。日本語、英語なら良いが、最近は中国語や韓国語のページを調べることも多い。この文章を読んだからと言って、誰にでも出来るものではないだろう。
ところが、ここが業界特化コンサルタントという人種の面白いところ(?)で、そんな辛そうな作業でも「おぉ、こんな会社があるのか」とか、「へぇ、あの会社こんなものを作っていたのか」等々、新たな発見があり意外に飽きない。

結論として○印の多い会社が、顧客候補として有望なところで、それを「スコア」として、高得点な来場者から降順でソートして行くと…ほぼ理想的な来場者フォローの出来上がりだ。

この作業、単純なように見えて、実はいくつものハードルがある。まず、1)来場者のデータ化(最近は主催者からデータで提供されるものが多いが)、2)効率的・戦略的な「横軸=自社主力製品」の作成、3)1名ずつチクチクと調査して行く忍耐力、4)来場者の所属企業が製造している製品とクライアント企業の販売製品のマッチング判断、等々。こう書くと、その製品、その業界に惚れ込んでいる、「**が好きで堪らない」ような人種でないと、出来ない作業のように思えて来たが…(仕事をするならば、やはりそれが大事か?)。

今回は「費用を掛けて出展した場合の効果的なフォロー方法」について。次回は「出展しなくても、費用を掛けなくても、出展社並みの効果を出す方法」を記す。

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