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第61回-ワークスタイルと鞄

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もう10年使っていたTUMIのショルダーバッグが古くなってしまったので、品川駅の吉田カバンでナイロン製の新しいカバンを買った。一応吟味して買ったつもりだったが、これがとんでもなく使いにくい。

一応「何を入れるか」を勘案して、さらに街を行く若いヤングの持ち物などもチェックして選んだつもりだったが…

1.ノートパソコン対応とはなっているが妙に厚さが薄い
2.雑誌や新聞が入るマガジンポケットがない
3.3cmを超えるような書類ファイルを入れると激しく型崩れする
4.ノギスや巻き尺など常備したい工具類が入らない

…等々、問題山積でかなりのストレスになっている。

ところがこの問題点の数々、考えてみればどれも「昭和」な、いや平成初期の内容ばかりで、今のヤング向けには想定されていないものばかりなのではないか?

まずノートパソコンについて。思い出してみるとお店のおねえさんは「ここに"タブレット"が入るスペースがあります」と言っていた。私のようにパナソニックのレッツノートをガッツリと持ち歩くのはもう流行りではないのだろう。iPadとか、Windowsタブレットのナントカとか、ともかく薄いものが主流なのだろうな。

次にマガジンポケット。電車の中で朝刊や週刊誌を読む姿がめっきりと減っている。いまやほとんどがスマホいじりだ。いまどき新聞二紙を毎朝読んで、たまに週刊誌まで買って…というのは完全にオッサンのスタイルなのだろう。

「3cmを超えるような書類ファイル」-これに至っては「パソコンに入っている」を通り越して、「クラウドに上がっているから」 不要なのではないか。つまり1、2、3を総合すると、クラウド対応のタブレットが一台(一枚?)入ればOKということになる。ううむ。

最後の「ノギスや巻き尺。常備したい工具類」だがこれは場所柄、職業柄が関係するだろう。私は京浜急行沿線に自宅があり、品川で山手線に乗り換えて通勤しているが、この付近は圧倒的にIT関連企業が多く、ノギスや巻き尺を日常的に必要とするサラリーマンは少ないだろう。もちろん製造業や建設業のエンジニアもいると思うが、その手のサラリーマンはショルダーバックではなく小洒落たリュックを使っているのではないか?

考えてみればこんな変化も当然だ。例えば私は1990年に社会人になったが、以来一回もハードなアタッシュケースというのも持ったことがない。あれば田宮二郎みたいな横分けのサラリーマンが、ピッチリした背広で持つからサマになるのであって、このクールビズ時代にノーネクタイで持っていたら不釣り合い極まりない。完璧にオジサンと化している私の世代ですら、先輩世代との間にちょっとした変革があったのだ。

さて、ここ数日の考察は以上だが、ここで大問題。「カバンに合わせてワークスタイルを変える」べきか、あるいは「ワークスタイルに合わせてカバンを買い直す」べきか?

確かに世の中のパラダイムとやらは上記の通りスリムなクラウド型に変わっているので、これをきっかけとして若いヤングをフォローしてみるのも良いかもしれない。いや、もう50歳も過ぎているので、無理をせずに自分のスタイルに合わせた収容能力タップリで強靱なバッグを探してみるのが正解か。たかがバッグ、されどバッグ。期せずして仕事のカタチまで考える羽目になってしまった…。

第15回-ブランドロゴは「魔法」のはず…

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先日、ある国産高級デジカメの開発記事を読んでいて、驚いたことがある。製造メーカーF社のロゴが無粋なので、正面(レンズ側)パネルに入れなかったというのだ。
製品写真を見てみると、なんとも強烈な「のっぺらぼう感」というか、「ノーブランド感」というかが漂い…こんなカメラ、欲しいかな??

正面から見た時のカメラメーカーのロゴというのは、カメラのイノチなのでは?

例えば映画『地獄の黙示録』に出てきたデニス・ホッパー。ベトナム戦争中、こんな密林の奥深くに、一体何者が潜んでいるんだ? 原住民か怪物か? という場所で、"I'm a civilian! American civilian!"と叫びながら、突然現れる戦場カメラマンのデニス。そして首にはジャラジャラとNikonの一眼レフ。このNikonのリアリティに震えた。めまいがした。

日本映画の近作にだってある。『嫌われ松子の一生』に登場する、幼い頃の松子の回想シーン。実家の玄関前で父親役の柄本明が、家族写真を撮ろうとカメラを構える(そういえば昔はよく玄関前で集合写真を撮ったものだが)。この時のカメラがNikon…ではなく弟ブランドのNikomat。この設定にも震えた。というか、あまりにも細かい「昭和の庶民」設定に、ぽろぽろと涙が出てきた(柄本明とNikomatの組み合わせが、あまりにもハマっていたという理由もあるが)。

ブランドロゴは「魔法」のはず。言葉では説明できない、何かを与えてくれるものだ。

例えば1980年代のテクノ少年ならば、テレビや雑誌に登場するテクノバンドのシンセの背中に書いてある"Roland"のロゴに憧れただろう。シンセ本体は高くて買えないので、ステッカーを入手して、カバンに貼ったり…。
たぶんその頂点は、坂本龍一が弾いていた米国製"Prophet-5"のロゴプレート。当時の価格で170万円もしたが、今は中古品が50万円前後で入手可能…なものだから、憧れが捨て切れず「大人買い」している40代サラリーマンも少なからずいるとか。

こうした魔法を極めたのが、映画『ブレード・ランナー』だろう。いまの巨大な街頭ディスプレイを予言した、ビルの壁一面の広告画面。時代は21世紀のかなり後半で、どうやら最終戦争後らしい。空飛ぶ自動車が行き交う未来都市で放映されているのが…今と全く同じデザインの"enjoy!Coke!"と、そして伝説の「強力わかもと」のCM動画! あのシーンも強烈なインパクトを与えるものだった…(非常に地味だがテレビ電話の終了時にアメリカのNTTにあたる"AT&T"のロゴが表示されるのも最高だ)。

「無粋なので入れなかった」はちょっと理解出来ないな。むしろカメラのイメージに合うように、ロゴの方を一新するタイミングだったのでは?


※こんな本を読んでいます

「フォントのふしぎ ブランドのロゴはなぜ高そうに見えるのか?」(小林章・著/美術出版社・刊)
ヨーロッパの街中で見られるロゴを、周囲の風景を含めた写真で紹介し、その魅力を語る。良書です!
http://www.amazon.co.jp/dp/4568504287

第6回-ソール・バスというデザイナー

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それにしても景気が悪い。実は一部の大手製造メーカーでは、いわゆる「売れ筋」製品の製造についてはすでに回復しており、人員や製造ラインを削減してしまったため、量産対応でおおわらわ…なのだが、それは限定的な現象。中小、零細まで含めた、広い裾野が潤わないと、景気回復は実感出来ないなぁ…。
というわけで、今回は気分転換にデザインの話。とはいえ、技術系ベンチャーにも役立つ、「お金をかけずに企業イメージを上げる秘策」について。今回は「ですます」で書きます。

ソール・バス(1920~1996)という名前をご存知でしょうか? 戦後のアメリカを代表する、商業デザイナーの大御所ですが、人によってそのイメージは異なるかもしれません。

CI(コーポレートアイデンティフィケーション)に詳しい人ならば、米国最大の怪物企業だったかのAT&T(アメリカのNTT、というより電電公社)のデザイン統一という途方もない大仕事をやり遂げ、ユナイテッド、コンチネンタルなどの航空会社のCI、音楽、映画、TVに跨がるワーナーグループのCI、そして日本でも、味の素のマークや商品パッケージ、ミノルタやJOMOのマークを手がけた、CIの神様と認識しているでしょう。1970年から'80年代中盤まで販売されていた「アジシオ」や「ハイミー」の容器は、彼のデザインがベースになっています。

ソール・バスにはもうひとつの顔があります。それは熱心な映画ファンならば知っているでしょう。彼は、古くはフランク・シナトラ主演の『黄金の腕』('55)、『めまい』('58)、『北北西に進路を取れ』('59)などヒッチコック作品、そして『80日間世界一周』('56)、『ウエスト・サイド物語』('61)といった超大作映画のタイトル・デザイナー、映像作家でもあります。

さて、そんな異才の活動が、技術系ベンチャーのどこに役立つか? 例えばこんな質問をしてみましょう。「あなたの会社の色は何色ですか?」。

スピン・アウト/大学発の技術系ベンチャーが最も”手が回らない”ところ、それはデザイン関係かもしれません。Webのデザインは「思いつき」、名刺や会社案内もなんとなくパソコンで制作し、肝心の製品デザイン(パネルやロゴ、本体のカラーリングなど)は、設計担当者によって異なり…が、ほとんどの技術系ベンチャーの実情のように思えます。技術系ベンチャーは唯一無二の性能が命。「そんなところまで手が回らない!」のはよくわかります。

しかし北米や欧州に行ってみると、この状況は全く異なります。創業から1、2年しか経っていないような、しかも機能を理解するのも大変なような(苦笑)専門的な製品を作っているベンチャーでも、マークやロゴ、印刷物はもちろん、それらと製品の統一感、さらには展示会説明員のポロシャツまでも(!)しっかりとコーディネートされている例を数多く見かけます。
例えばこのカナダのPeleton社、製造している製品がここに挙げたくらいしかないスピン・アウト・ベンチャーですが、会社創業から2、3年の時点で、製品パネルと同時にチラシまでも、とてもスマートにデザインされていました。

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「センスの違い」と言ってしまえばそこまでですが、ではそのセンスとは何なのか? どのようにして生まれたのか? そして私達は何をすれば良いのか? ここから先が、私のコンサルティング領域になります。

「高いお金を払って、デザイン事務所にでも頼めば良いのか?」というと、そうではありません。世界で最も著名なデザイン事務所-ソール・バス&アソシエイツ-の活動を紹介しながら、私は「そうではない。たったこれだけのことに気を付ければ、素晴らしいCIは可能」ということを説明しています。
先述したAT&Tの例、彼がCIを行った1968年当時、同社は「ベル・システム」と呼ばれる23もの地方子会社を持っていました。あの広いアメリカのこと、そのデザインはバラバラで、「23の異なった会社のようだった」という皮肉まで残っています。
そこでソール・バスが行ったことは? たったひとつのマーク(ベル-鐘を極めてスマートにシンボル化したもの)と、3色の基本カラー、そして表記用フォントの統一。重要なポイントは、わずかこの3つに集約されます。


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実際にはそれに基づいて行った電話帳から梱包箱、工事車両のペイント、作業用ヘルメットなどのデザインもあれば、25の社内デザイン部門が統一感を保ちつつ独自のデザイン作業が出来るための十数冊に及ぶデザイン・マニュアル等々、膨大なアウウトプットがありますが、それを貫いていたのは前述のマーク、色、フォントの3つです。そしてこの基本線は、下側に載せたユナイテッド航空など、他社のCIでも変わっていません。


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つまり、この3つに気をつければ、どんな会社でも-数万人の大企業でも、社員2名のベンチャーでも-デザイン・イメージが確立された、どこに出しても恥ずかしくない会社になるはずだ、というレクチャーをいくつかの技術系ベンチャーで行いました。

「目からウロコ」と喜ばれることもあれば、「あまりに違う世界の話すぎて…」と空振りに終わることもありますが、まずはこのブログが、何かのきかっけになれば幸いです。図や写真を入れて、じっくりと説明すると、本1冊分くらいの大連載になってしまうので、今回はさわりだけ。

本当はこのCIの世界、ゾクゾクするほどに面白いハズなのですが…。

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