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第20回-「『ぴあ』の時代」とプルの時代

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3月のLA出張中、ホテルや空港で「『ぴあ』の時代」(キネ旬総研エンタメ叢書)を読んだ。雑誌「ぴあ」には本当にお世話になったので、刊行を知り「時間があれば読んでみたい」と思っていたのだ。
出張先のホテルでの就寝前やチェックイン後の空港など、読書にはうってつけの時間である。しかしアメリカ西海岸で読んでいるのが、1970年代の"熱い"東京というのが不思議でもあるが。

内容は中央大学4年生の矢内廣が、同大学の映画研究会の仲間を中心に、"映画・演劇・音楽の総合ガイド誌"「ぴあ」を創刊するまでの物語と、自主製作映画のコンペティション「PFF」(ぴあフィルム・フェスティバル)の創設、そして2011年の休刊まで…と言いたいところだが、文章は1990年前後、つまり昭和の終焉で幕を閉じている。著者の掛尾良夫 (元「キネマ旬報」編集長)曰く、「昭和の最後の20年こそがぴあという会社の少年時代である、ここに登場する仲間たちや私が、最も楽しく活気に満ちた時代をすごした日々だったから」だそうだ。

「仲間たちや私が、最も楽しく活気に満ちた時代をすごした日々」と衒(てら)いもなく書かれると少々面食らうが、確かにあの頃、この私も「ぴあ」を片手に東京を闊歩していた。

神奈川県逗子市に住んでいた私は、1984年に高校を卒業するまでは音楽も映画も、横浜を中心に楽しんでいたが、'84年4月に代々木ゼミナールに入学すると「東京のガイドブック」が欲しくなる。それ以降は15年間以上、毎号買っていたと思う。
浪人時代はたまに映画を観るくらいで当然「フル活用」とはならなかったが、二浪を経て'86年4月に都内の私大に入学すると、まさに"映画・演劇・音楽の総合ガイド誌"として、次号が出る2週間のあいだに、ボロボロになるまで使い倒した。映画・演劇・音楽に限らず、美術展にも行き、プロ野球などにも行くと、「今週は『ぴあ』完全制覇だ」などと思ったものだ。

しかし私は、ぴあを創刊した矢内や、著者の掛尾とはほぼひとまわり下の世代なので、ネットの隆盛と「ぴあ」の関係、そして「ぴあ」休刊で何が変わるのかが気になる。

ひとことで言えば「プルの時代」への変化だろう。どういうことか?

大学生から若手サラリーマン時代、「ぴあ」を熱心に読んでいた頃は、ページをぱらぱらとめくっていた。あたりまえのように聴こえるが、この「ぱらぱら」が重要だと思う。
例えば映画のコーナーにはメジャーなロードショー作品、二番館、三番館情報、名画座での旧作上映に続けて、「定期上映館」の情報があった。これは商業的な映画館ではないが、いつも自主上映を行っている場所(レンタルスペースやアートスペースの類)で、最初はサッと目を通すだけで、さして気に留めなかった。
ところが毎号毎号目を通しているうちに、毎号毎号同じ映画を上映している場所があることに気がついた。しかも良く読むとタイトルだけ知っていて、「一体どんな映画なんだろう?」と思っていたジャン・コクトーの『詩人の血』(1930)などをやっている。「通勤途中で毎日見かける人が好きになる」ではないが、1年に数十回も上映情報を見せられれば、「ひとつ行ってみようか?」という気にもなってくる。

それは新宿厚生年金会館の裏にあった「アートシアター新宿」という自主上映スペースで、「ひとつ行ってみた」のは大学入学直前の1986年3月3日。『詩人の血』のほか、マン・レイの『ひとで』('28)や、有名なルイス・ブニュエルの『アンダルシアの犬』('28)なども同時上映で観ている。戦前のアートフィルム6本立てで、終映は夜8時頃だった。
「映画終わったので帰る。夕食は家で食べる」と公衆電話から実家に連絡したことを覚えている。浪人時代はこんなことは出来なかったので、「大学受かってよかった」という実感と供に。

「ぴあ」終焉の理由は「同様の情報がネット上に無料で溢れているから」にほかならないが、「ネット上に無料で溢れている」比較的プル型の映画・音楽情報を見ることと、「ぴあ」のページでいつも目にしていたある種プッシュ型の情報を見ることは、同じ情報体験なのだろうか?という疑問がある。

例えば実家にある親の本棚の本を妙に覚えているように、そして自分が成人してから、ふとその本を思い出して読んでみたくなるように、「なぜかそこにあった情報」「当初は自分には向けられていなかった情報」というのも重要なのではないかという気がする。

しかししかし、さらにその次を考える必要があるのだろう。たったいま書いた、「ネット上に無料で溢れている比較的プル型の映画・音楽情報」が本当にプル型なのかということだ。
確かに入口は自分の興味から検索した結果かもしれないが、リンクを辿るうちに意外なモノに辿りついて…ということもある。完全にはプル型とは言えないと思い、あえて「比較的プル型の」と書いた。

「ぴあ」の時代の情報と、21世紀初頭の情報環境を、きっちりと比較するのはなかなか大変な作業である。

第16回-楽しく読める通信の本を書きました!

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さてさて、とつぜんではありますが…。

2001年の『二十一世紀ジャズ読本』、2006年の『新入社員「こんな時どうする?」』に続き、このたび5年ぶり三冊目の著書、『プロが教える通信のすべてがわかる本』(ナツメ社・刊)を上梓いたしました。

今回は4名の共著で、定成は第2部1章「電気信号・電波のしくみ」、第3部5章「衛星通信を利用する」、同6章「無線通信を利用する」、そして第4部「通信のこれから」の全ページを執筆。各ページのイラストの下絵も定成が描いております(その他、アンテナ、中継・交換技術等も担当。合計80ページほど書きました)。

また、かつての勤務先、古河電工千葉事業所の光ファイバケーブル製造についてのインタビュー取材も担当しております。今回の目玉記事(?)かもしれません。

なお、今回は拙著の浅識を正すため、有線・無線の両分野をご専門とされている、電気通信大学名誉教授の三木哲也先生にご監修いただきました。

小学生以来40年近く親しんできた無線通信と、20余年間プロとして接してきた有線通信の世界について、絞り出すように書いた入魂の一冊…とは大げさかもしれませんが、このような形で実を結んだことは嬉しく思います。

執筆、イラストだけではなく、構成、テーマ決定など企画段階から参加していたので、出版の感慨もひとしおで…。

電線、情報通信関連企業にお勤めの方、それを目指す学生の方、ご興味をお持ちの方に広くお読み頂けるように、全ページフルカラー、イラスト、写真もふんだんに掲載致しました。ご一読いただければ幸甚に存じます。

以上、宣伝でありました。

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『プロが教える通信のすべてがわかる本』
ナツメ社 / 三木哲也・監修 / ¥1,575(税込) / 21cm / 255p / ISBN-13: 978-4816351105
現物はカッコイイシルバーの表紙です。今週末から書店店頭にも並びます。
≪Amazon≫
http://www.amazon.co.jp/dp/4816351108/

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