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人事・総務 Archive

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第63回-酒ばなれ

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新聞や雑誌で団塊世代の思い出話を読むことが多い。現在60代中盤から後半。1970年後半が「若手時代」だそうで、まぁ、みなさんこれでもかという程に酒を飲んでいる。

新聞や雑誌で文章を発表するくらいの御仁なので、マスコミ関係者、ジャーナリストが多いが、「先輩に連れられて毎日のように酒場に行き、そこで執筆や編集、そして社会のイロハを習った」というような趣旨の文章が武勇伝のように書いてあると、あまりの隔世の感にクラクラする。

ヒマだったのだろうか? 何時から飲んでいたのだろうか? 残業はしなかったのだろうか? 金はあったのだろうか?

なんとなく、「仕事が終わる時間」というのがあったのだろう。昭和の時代には。確かに私が会社に入った頃-丁度時代が平成に変わった頃だが-まだEメールもなく、1人1台のWindowsパソコンもなく、社内のやりとりは「電話、FAX、社内メール」だった。
確かに夜7時を過ぎると電話もFAXも少なくなり、社内メールは17時便がラストだったか…。確かにそこで、「まぁ、今日はこんなところかな」という雰囲気にはなった(もっともそれも数年後のWindows95以降は激変するのだが)。

それがいまや24時間エンドレスだ。電話は携帯になり、メシを食っていようが酒を飲んでいようがかかってくる。「急ぎの用事」の携帯を、レストランの入り口付近で受けている若いサラリーマンのなんと多いことか。Eメールもスマホへの転送が一般的。これまたスマホを見ながら唸っている人も多い。「ユビキタス社会」とはそういうことだったのか。
そしてノートパソコンまたはタブレットの普及。夜遅くの電車の中で、かなりのスピードで作業をしている若いプログラマーなども良く見かける。

社内メールで2日かかっていた書類が、メール添付で深夜に、瞬時に届き、「明日の朝までに返信して欲しい」。このスピード感、1970年後半には想像も出来なかっただろう。

仕事が高度化、複雑化しているという事情もある。ものづくりでも金融でも流通でもシステムでもなんでもいい。単純なモノもコトも、人件費の安い諸外国に流出し、日本国内で事業を存続させようと思うと、かなり付加価値の高い、高度で複雑なことをやらないとカネにならない。

仕事は複雑になる一方、ワークスタイルはエンドレス化する一方。そして過度なスピードアップ。寝ているとき以外はクタクタになるまで働いて…というのがいまの標準的な「働き方」なのではないかと感じている。それを称して「社畜」と呼ぶのかもしれないが…。

若者の酒ばなれ、車ばなれ…何ばなれでもいい。はなれてしまって何をしているか? 仕事をしているのだ。情報ガジェットを駆使して、早朝から、深夜まで。そしてその背景には仕事の「質と量」、難易度と分量の劇的な変化があるように思うが、これは次回に。

先輩諸氏の酒場伝説などを聴くと、もはや「おとぎ話」のように思える。かたや新聞を賑わす若手社員の過労死、過労自殺の記事。この世代格差はあまりにも大きすぎる。職業観としても、人生観としても。

第62回-つぶした人

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4年ほど前に「第24回-人材起用最大の謎」と題して、「やることは決まっていて、とりあえずの担当も決まっているが、誰がどう見ても適正がナイという仕事と人材のアンマッチ」について書いた。実はこの種の人材起用に関するエピソードはもうひとつある。

ネット上の何かでもいいし、新規事業、新製品でもなんでもいい、その会社には経験のない、何か新しいビジネスを始めようとした時、しかもそれが若干の専門性を必要とする場合、その経験者を採用するのはごく当たり前の話だ。

しかしこの時に、かなり高い確率で「過去に別の会社でソレをやって失敗した人」が採用される。理由はカンタン、経験者でかつ今現在は仕事がないか、時間に余裕があるからだ。失敗して会社を潰していたり、閑職に追いやられていたり、クビになって無職だったりするからね。

結果はどうなるか? かなり高い確率で「過去に別の会社でやった失敗と同じことをやって、見事に二度目の失敗をキメてくれる」。それはそうだろう。というか、なぜその結末が予想出来ない?

「前回の失敗は周辺環境が悪かったからだ。ウチで同じことをやれば成功する」という考え方も間違いではない。しかしそのためには過去の轍を踏まないためのこまめなチェックとサポートが必要だ。手放しで任せると、多くは同じことをやって、同じ失敗に陥り、同じ結果しか生まない。

これは比較的高年齢のマネージメントが、高年齢の人材を採用する時にあるパターンだ。「あの人もこの前は苦労したみたいだけど、ウチで再起を」と情けをかけたのが裏目に出て…というわけだ。

当然、ドラスティックな思考をするナウなヤング世代(20、30代?)の考えは違っていて、「成功者を引き抜け」だ。もちろん、これが正解。

キビシイことを言えば、「過去に別の会社でソレをやって失敗した人」は周辺環境よりもその人の資質や仕事のやり方に問題のある場合が多い。「あぁ、この人は、こういう仕事の仕方で失敗したんだな…」と感じることが多い。そして結末は…。

「成功者を引き抜け」世代の上限が時代につれてじわじわと上がって来ているようにも思う。微妙な価値観の違いだが、終身雇用制度の崩壊とも無関係ではないのだろう。

第60回-もはや若手ではない

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デザイン関係の仕事をしている家内が、興味深いブログを教えてくれた。若くして独立したフリーランスのデザイナーが、あるタイミングからパッタリと仕事が無くなってしまうという内容だ。

例えば30代半ばでどこかの会社なり、デザイン事務所を辞めて独立したとする。実はそれから5~10年くらいは結構仕事が来る。上の世代に可愛がられるからだ。同じように独立して、自分の会社を設立した先輩経営者からは「自分の若い頃を見るようだ。応援しているよ」と言われ、大中小を問わず企業クライアントの部課長さんからは「今どきホネのある若者だ。応援するよ」と言われ…しかし10年も経てば、先輩経営者は世代交代している可能性が高いし、企業クライアントの部課長さんは定年を迎えてもはやその場所にはいない。つまり発注権限、決済権限のある諸先輩方がいなくなり、いつの間にか掛かるお声が少なくなっているというわけだ。
さらに若いつもりだった自分も40代の後半、あるいは50代になり、バリバリと実務に就いている若い世代からすると、「あのトシでフリー」とか、「ちょっと感覚が古いんだよねー」などと言われてしまう。40前後ならともかく、その年齢まで10年以上フリーで来た場合、自分の看板を返上しての企業復帰も難しいだろう。そして50代、60代のフリーランスは完全に孤立してしまう…というわけだ。これはかなり厳しい状況だ。

今のコンサルタント会社を設立して来年で15年。年齢だけを言えば当社も似た状況にある。起業の時は36歳。メンバーを増やし、雑誌に広告も出してバリバリに売り出していた頃は「平均年齢40代前半。働き盛りのパワーを御社にご提供します!」と言っていたが、当然のごとく現在はプラス10~15歳である。「部課長クラスの豊富な知識とノウハウをご提供します」と売り出していた時期もあったが、いまひとつパリっとしない。
クライアント側の状況についてはまさに冒頭に書いた通り。起業当初に可愛がって頂いたマネージャークラスの方で、今でも現役という方はもうわずか数名。さすがに15年も経つと、残念ながら鬼籍に入られた方もいらっしゃる。

それでは当社も座して死を待つのみか? というと、もちろんそんなことはない。家内が教えてくれた年配フリーランス&起業者問題ブログにもその答えはあり、ポイントは「いかに若手世代と付き合うか」なのだ。今度は自分たちが先輩者として若手と組み、ある時は長年培ってきた人脈や商権、商材、ノウハウを駆使して若手に活躍して貰う。またある時は、完全に若手に任せて、むしろ教えを請う形で最新のテクニックを導入する。
「それが出来る年配者は生き残る。出来ない年配者は生き残れない」-考えていれば当たり前の話だ。もし独立せずに会社に残っていれば、40代、30代はもちろんマネージャーとして自分の子供のような20代の若手の面倒を見ている立場なのだ。
クライアントについての柔軟性も必要だ。同世代経営者のお手伝いをしたり、あるいは自分よりも下の世代に丁寧に接したり。これも企業にいる50代からすればごく当たり前のことだ。
独立起業して10年以上、うっかりするとそんな当たり前のことも忘れてしまう。これもまた起業家の盲点かもしれない。

第59回-ちょっと待て!

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昨年12月にある建設会社で「緊急連絡しなければならない時があるから電話番号を教えてくれ」と言われた新入社員が「電話番号なんて使わないですよ。LINEの無料通話を使っているから」と答えたという話を紹介した。最近の情勢を考えると「いかにも」ではあるが、この話、一部では「作り話ではないか?」との疑惑も挙がっているらしい。

確かに私も「いくらなんでも…」と思うところがあった。自宅警備関係者やフリーターならともかく、一応でも古い業態の企業で会社員になっている者が、携帯番号まで持っていないということがあるか?

「そもそも就職活動中はどうしていた?」という声もある。これは、まぁ、「内定~入社くらいまでは携帯を持っていた」とも考えられる。しかしそのあと、日常生活で困ることはないだろうか? 例えばピザが食べたいとき、家族や親戚と急な連絡を取らなければならないとき、ネットで何かを申し込む、何かの会員登録をするにしても、電話番号の入力は必須ではないだろうか。書けば書くほど「いくらなんでも…」だ。

本人たちに会ったわけではないので本当に本当のこと、真偽の程はわからないが、どうも辻褄が合わない。そしてネット上で流布されるこの手の話には、多分に「ちょっと極端な例を創作してみました」、「似たような話を聞いたんで、ちょっと盛ってみました」というものが少なくない。
さらには海外サイトの写真を文章もわからずに想像で解読(?)して、結果的に「デマ」になってしまったもの、ちょっとややこしい科学的な内容をすっかり勘違いして流布したもの、等々、ちょっとネットを調べてみると、ほぼ毎日、少なくとも1件、日によっては数件の「ネットのデマ」が生成されている。具体的な例は(わざわざ)書かないが…面倒なのがツイッターの伝達力なんだよなぁ…。

通信工学や光工学など、専門分野については概ねデマか真実かの見極めがつくが、確かに専門外で騒がれると、私も騙されてしまうかも。なんだか今までとは違う”騙されない”能力が必要になって来たなぁ…。

第55回-会社のカラーとロケーション

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会社設立1年後の2003年の3月から10年以上操業してきた恵比寿の事務所を昨年1月に一旦撤収、仮事務所を経て9月から五反田に移転した。その五反田の事務所もそろそろ開設から1年半に近づいている。歳をとると本当に時間が経つのが早い。

さて、その「恵比寿から五反田」という会社の移転、寂しくないか? と言われればやはり少々寂しい。

恵比寿といえばいまや東京のオシャレな街の代表。色々な意味で「働いていることが嬉しい街」でもあった。
ちなみになぜ恵比寿にしたかというと、ご縁のあった不動産屋さんがたまたま恵比寿で、しかも(戸越公園の自宅事務所で不自由な思いをしていた)私も、漠然と「恵比寿あたりに事務所があったら良いだろうな」と考えていたからだ。その組み合わせ、巡り合わせの妙で決まった。

しかし賃貸の準備をしていた2002年、今から15年近く前の恵比寿というのは今ほどのキラキラ感はなく、むしろシブイ、オトナの街だったように思う。「青山や渋谷ではなく、あえて"ハズして"恵比寿」という感じだった。そしてそれが私が「恵比寿あたりに事務所があったら良いだろうな」と考えた理由でもあった。

まぁ、なんだかんだで恵比寿から離れてしまったが、先日近いタイミングで神谷町から馬込に事務所を移した人と話す機会があった。お互いに「神谷町、恵比寿に開いた時は確かに事務所の場所もステータスと考えていた」、「しかし起業から十数年を経て、『あなたの会社は馬込だから、五反田だから』を理由に契約を渋るクライアントがいるならば、こちらから辞退、というか願い下げ」と盛り上がった。

2000年代の初頭はまだITバブルとやらの余熱も残っており、多少はカッコをつける必要もあった。しかしそれで10年走って来て、会社としてそれなりの実績を残し、しかももう結構な年齢にもなり、いまさら「事務所の立地がオシャレ」で契約を取る柄でもないだろう、というわけだ。リーマンショック、デフレ、震災、安倍政治…今はむしろ「どのように引き締めの努力をしているか」が問われる時代になったような気がする。

しかししかし、恵比寿時代を思い出すと(話が二転三転して恐縮だが)フワーっと込み上げるような甘く懐かしい感情もある。「創業2年目から12年目までを恵比寿の一等地で送ったことで、今の会社の明るくユーモアのあるカラー、それなりに垢抜けたスマートなカラーが確立されたのではないか」とも考えているのだ。

もちろん今の五反田も便利で落ち着いた良い場所だとは思うが(駅から4分、学研本社まで1分で目黒川沿いというそれなりの好立地ではある)、もし事務所が最初から五反田にあったら…もう少しだけ地味な会社になっていたかもしれない。そんな気がするのだ。10年以上にわたり、「恵比寿の会社」であったことが当社のカラーを作った。意外に会社なんてそんなものかもしれない。

最後に恵比寿の問題点…仕事がない日でも、ちょっとルーズに仕事をしてしまった日でも、恵比寿の街を歩き、恵比寿駅から帰宅すると、なんだかカッコ良くて立派な仕事をしたように勘違いしてしまうのだ(それは完全な勘違いだ!)。五反田にはそれがなく、ガツガツと地味に、堅実に仕事をしなければと毎日考えている。わずか二駅の違いだが…。

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