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2010年05月

第4回-新入社員「こんな時どうする?」

『新入社員「こんな時どうする?」』


ゴールデンウィークも終わり、各社の新入社員も…気の早い連中は、もう退社しているかもしれないな(苦笑)。まずは本社で集合研修、続けて各社オリジナルのOJTや現場実習。営業同行ならばまだヨシで、少々ハードな販売実習や製造実習というパターンが多いだろう。
20年前の私の場合、半月の集合研修(丸の内でとても良いキモチ)を経て、1カ月間の電線製造実習(千葉工場でとても辛いキモチ)だった。工場実習など、今となっては非常に有益、貴重、かつ良い思い出だが、朝は早いわ、現場のオッサンには怒られるわ。残業もさせられる、GWなのに休日出勤させられる…等々、まぁ、なんというか、新入社員にとっては最初の関門であろう。長い社会人ジンセイの、たった1、2カ月に過ぎないのに…。

さて、そんな新入社員のみなさん、そしてそんな新入社員を抱えている先輩社員、人事ご担当の皆様に、恥ずかしながら自著のご紹介です。今回に限り「ですます」で書きますです。

私は丁度4年前、2006年の4月に、『新入社員「こんな時どうする?」』という異色の(?)新入社員マニュアル本を上梓しました。出版は労働法関係の本を出している日労研。1テーマごとに見開き、または1ページの読み切り構成で、いくつかのテーマについては法務が関係するので、労働法の権威でいらっしゃる布施直治先生にご監修頂きました。

さて、どんな本なのか? いま書いた通り、1、2ページ、しかもかなり大きな文字の読み切りで、すべてQ&A形式になっています。従って、新入社員本にありがちな「人生訓」的なものなど入る余地もなく、また私も書くつもりもなく、徹底的に「日本の企業社会ではこうする、こう考えることが最も”現実的”」という事例を挙げ続けました。非常に実用的な内容ではないかと。

たとえば、「仕事のない新人が先に帰ると、上司や先輩はどう思うか?」。答えは「何も考えない」。「新人のくせに早く帰るとは!」などと考えることはなく、仕事がないなら帰って当然。人によっては自分の仕事が忙しくて視野に入っていないこともある…とまで書きました(苦笑)。新人君はビクビクしているかもしれませんが、先輩から見れば現実論としてはそんなモンですよ。ただ、これではヒョイヒョイ消えてしまう新人が続出するので、帰る前に「何かお手伝いすることはありませんか?」とひとこと掛けようと書いています。
また、私はまわりくどい論法が大キライなので、「会社のPCで私用メールやWeb閲覧は可能?」については、「内容は一体何なのか?」「今すぐ必要なものなのか?」「そもそもそんなことをしているほど仕事がヒマなのか?」の三段論法で片づけています。ネチケットや法務関係の本では、やれセキュリティだの業務規程だのと書いてありますが、現場のビジネスマン感覚で言えば、ズバリ、上記の3点がポイント。結論は「家に帰ってヤレ!」です。

そしてこの本の最大の特徴は、一般的に総務・人事、企業文化の世界では「ヨロシクナイ」と思われているようなことも、「場合によっては止むを得ない」と書いている点でしょう。

たとえば、「第二新卒として早期退社するか?しないか?」。回答の前半では1人抜けると玉突きで異動が発生し、転勤、単身赴任、家族で引っ越し等々、「あなた1人の退社で、何人もの人の生活が変わっていく」とか、転職先の面接で「なぜこんなに早く辞めたか」「気に入らなかったらウチの会社もすぐに辞めてしまうのでは」と聞かれるとか、さらには「転職グセがつくことが心配」「ひとつの会社で長い年月を働いたからこそ、身につくもの、分かってくるものもある」等々、思い切り引き留めておいて、ラストでは「以上を考えた上で、『それでも辞める』と言うのならば仕方ありません」と正反対の意見も肯定しています。
これまた先輩社会人の考えとして、「早期退社の影響も心配ですが、同様に本人の精神的な健全性、メンタル・ヘルスも考えなければ」と譲歩(?)。「会社に行くのがともかく苦痛で、頭が痛い、お腹が痛い、生きているのがつらい…。いくらなんでも、そこまでしてその会社で働く必要はないでしょう」と書います。そしてご丁寧に、「円満退社&転職ステップとスケジュール例」まで。しかし、よく許してくれたな、出版社も(笑)。

「場合によっては止むを得ない」の例としては、他にも、「苦手な上司に飲みに誘われた。断っても大丈夫?」に対して、「断るのも、行くのも、あなたの自由。どんなことがあってもあの上司には付き合わないと考えるならば、それを貫き通すのもいいでしょう」と書きました。
もちろん全文としては、「一度仕事を離れて話してみると、イロイロと良いことがありますよ」という回答になっていますが、まぁ、なんというか、「ここまで言っても『嫌だ!』というのならば無理に行く必要もないでしょう」的に別の考え方も認めています。「100%こうしなければいけない」というような回答にはしたくなかったんですよ。

「同期だからって、いつも連れ立っていなくちゃ嫌われる?」、「どこかの派閥に属さないといけないの?」といった新入社員ならではの疑問から、「年の離れたベテランばかりの中、うまくやっていくには?」、「仕事を超えた信頼関係は生まれるの?」など、新入社員だけではなく、新人&旧人、さらには会社全体の人間関係を考えるテーマまで。すべて私自身の、電線会社、情報出版社での経験(主に前者かな?)を元に記した、入魂の127ページ…なのですが、どうやらあまり話題になっていない模様で(苦笑)。
出版社、編集プロダクション、デザイナーの関係で、なんだか「自動車教習所の教本」みたいな装丁になってしまって、現代のビジネス本の雰囲気からすると、ちと弱い。内容的には上記の通り、非常に斬新なつもりなのですが。

処女出版だった『二十一世紀ジャズ読本』(ブックマン社)は、お蔭様で各方面で非常にご好評を賜りまして、あちこちの雑誌で紹介されたり、ラジオ番組に呼ばれたり、一章がまることTV番組になったり、そしてその後の連載や執筆に大きな影響を与えたりもしたのですが、こちらの『新入社員「こんな時どうする?」』は、少々地味な展開となっております(一応、この本の縁で、某社ビデオ教材に講師として出演しましたが)。
教師一家の一人息子なので、人前で「喋れ」と言われれば、いくらでも喋るんですが。まぁ、でも、新入社員を前に「『それでも辞める』と言うのならば仕方ない」と言う講師はいないか(苦笑)。

某大手材料メーカーの人事部長さんに非常に気に入って頂き、100冊まとめてお買い上げいただいたりもしております。表紙は地味で、広告もほとんど行っておりませんが、拙著『新入社員「こんな時どうする?」』、21世紀の新人教育にお使い頂ければ幸いです。新人諸君も、興味があればぜひ(せめて立ち読みでも)。以上、「自著を語る」でした。

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