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2015年07月

第52回-ダイヤル式電話機とジェネレーションギャップ

6月頃にツイッターで話題になったのが、「貸会議室でダイヤル電話を使ったゆとり社員が、終了後に受話器を"縦"に置いた」だ。

引用になってしまうのでここには写真を載せないが(ご興味あればこちらのリンクから)、通話口をダイヤルの下に、受話側をフックボタンの間に、要するに-我々世代に言わせれば-「保留」の状態にして、使い終わった、切ったつもりでいやがる…と晒したわけだ。

しかしこれが糾弾派と擁護派でプチ炎上。私もちょっと思うところがあった。

糾弾派は当然「常識知らずも程がある」と。それに対し擁護派は「単なるジェネレーションギャップ。生まれた頃にはもうダイヤル式の電話機なんてなかった」、「なんでもかんでもゆとりのせいにするな」。

私は実はこのいずれでもなく、そしていずれでもあった。どういうことか?

「単なるジェネレーションギャップ。生まれた頃にはもうダイヤル式の電話機なんてなかった」はよく分かる。ではこれを晒したオッサン(たぶん)社員は「41号M磁石式電話機」と呼ばれる下の写真の電話機が使えるだろうか?

41M-K_m1.jpg

手動えんぴつけずり器のレバーのようなものは磁石発電機で、これを回して発電し、そのパワーで交換手まで繋ぐ。電話局の交換設備が自動交換機ではなく、更に各加入者に給電を行わない場合に使われていた。一般に「黒くてツルっとしたヤツ」と呼ばれるダイヤル式の600形電話機の貸与開始が昭和38年(1963年)なので、ゆとりを糾弾した連中もこの「41号M磁石式電話機」などは「知らないよ!」だろう(この41号M磁石式電話機、かつては一般家庭用にも貸与されていた。実は後継の601-M形磁石式電話機が2009年までレンタルされており鉄道など一部企業の内線電話では現役である)。

立場と対象が変われば同じこと。それだけの話なのだ。世代格差というのはそういうものだし、逆に最新のSNSやスマホを使ったIP系の音声サービスなどにオッサン世代が付いてこれるか? という逆のジェネレーションギャップもある。

「なんでもかんでもゆとりのせいにするな」もごもっとも。「私は中学生だが、これくらいは知っている。一緒にしないで欲しい」という声もあれば、「完全なゆとり世代だが、我々が望んで『私たちをゆとりにして下さい』と頼んだわけではない。ゆとり世代を生み出したのはあなたたちの世代だ」という唸らされるような意見もあった。

すっかりゆとり擁護の雰囲気になったが、しかし私はゆとり云々よりも別の視点で、「これはちょっと常識がないのではないか?」と考えている。

まず、1)原状復旧が出来ていない。通話をする前には受話器は正しくフックボタンの上に横向きに置かれていたはずだ。なぜその直前の状態に復旧しない? これは装置などのハードウェアでも、プログラムなどのソフトウェアでも基本中の基本。なぜ原状と異なる、独自の状態を作り出して平気な顔をしている? これについてはかなりの怒りを覚える。

つぎに、2)その状態で「切断」に繋がる何らかの動作がされているか?上の白いボタンは何のためにあるのか? これは若干エンジニア目線ではあるが、どこにも当たらない、どこも変化せずトリガーが発生しない単に受話器を「乗せた」状態で、電気的に切断がされるか?…これはちょっと考えればわかるはずだ。「なぜこれで切断状態になるのか?」と。

結論としてこの1)、2)の方が大問題で、確かにこの社員は厳しく注意、指導されるべきだろう。この2点にルーズな者は、少なくとも私は一緒に仕事をする気はない。そして改めて考えると、この2点、「ゆとり」云々など全く関係ナイではないか…という結論に達する。このタイプ、50代だって60代だっているぞ。あちこちに。

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