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第15回-ブランドロゴは「魔法」のはず…

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先日、ある国産高級デジカメの開発記事を読んでいて、驚いたことがある。製造メーカーF社のロゴが無粋なので、正面(レンズ側)パネルに入れなかったというのだ。
製品写真を見てみると、なんとも強烈な「のっぺらぼう感」というか、「ノーブランド感」というかが漂い…こんなカメラ、欲しいかな??

正面から見た時のカメラメーカーのロゴというのは、カメラのイノチなのでは?

例えば映画『地獄の黙示録』に出てきたデニス・ホッパー。ベトナム戦争中、こんな密林の奥深くに、一体何者が潜んでいるんだ? 原住民か怪物か? という場所で、"I'm a civilian! American civilian!"と叫びながら、突然現れる戦場カメラマンのデニス。そして首にはジャラジャラとNikonの一眼レフ。このNikonのリアリティに震えた。めまいがした。

日本映画の近作にだってある。『嫌われ松子の一生』に登場する、幼い頃の松子の回想シーン。実家の玄関前で父親役の柄本明が、家族写真を撮ろうとカメラを構える(そういえば昔はよく玄関前で集合写真を撮ったものだが)。この時のカメラがNikon…ではなく弟ブランドのNikomat。この設定にも震えた。というか、あまりにも細かい「昭和の庶民」設定に、ぽろぽろと涙が出てきた(柄本明とNikomatの組み合わせが、あまりにもハマっていたという理由もあるが)。

ブランドロゴは「魔法」のはず。言葉では説明できない、何かを与えてくれるものだ。

例えば1980年代のテクノ少年ならば、テレビや雑誌に登場するテクノバンドのシンセの背中に書いてある"Roland"のロゴに憧れただろう。シンセ本体は高くて買えないので、ステッカーを入手して、カバンに貼ったり…。
たぶんその頂点は、坂本龍一が弾いていた米国製"Prophet-5"のロゴプレート。当時の価格で170万円もしたが、今は中古品が50万円前後で入手可能…なものだから、憧れが捨て切れず「大人買い」している40代サラリーマンも少なからずいるとか。

こうした魔法を極めたのが、映画『ブレード・ランナー』だろう。いまの巨大な街頭ディスプレイを予言した、ビルの壁一面の広告画面。時代は21世紀のかなり後半で、どうやら最終戦争後らしい。空飛ぶ自動車が行き交う未来都市で放映されているのが…今と全く同じデザインの"enjoy!Coke!"と、そして伝説の「強力わかもと」のCM動画! あのシーンも強烈なインパクトを与えるものだった…(非常に地味だがテレビ電話の終了時にアメリカのNTTにあたる"AT&T"のロゴが表示されるのも最高だ)。

「無粋なので入れなかった」はちょっと理解出来ないな。むしろカメラのイメージに合うように、ロゴの方を一新するタイミングだったのでは?


※こんな本を読んでいます

「フォントのふしぎ ブランドのロゴはなぜ高そうに見えるのか?」(小林章・著/美術出版社・刊)
ヨーロッパの街中で見られるロゴを、周囲の風景を含めた写真で紹介し、その魅力を語る。良書です!
http://www.amazon.co.jp/dp/4568504287
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