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第42回-信用というもの

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もう随分昔になるが、当時勢いのあった某ハイテクベンチャー企業の話で驚いたものがあった。その会社、社長以下全員(だったか?)が「ビジネス・ネーム」、わかりやすくいうと偽名というか、芸名を使っているというのだ。

写真週刊誌に掲載された社長の名刺には「○太郎」というトンデモない名前が書いてあったように記憶する。当時の私は古い電線メーカーの工場勤務だったが、ともかく「何だコイツラは?!」と。

ベンチャー社長曰く、「ユニークな名前が親しみやすい」、「営業時に話題にしやすい」、「興味を惹く名前を付けるために、社員のアイディアが発揮される」等々、その効果を挙げていたが、逆にデメリットは考えなかったのだろうか。

B to Bの企業間契約を行うならば(もっともB to Cでも同じだが)、最も重要なのが企業及び担当者の信用度である。企業として与信や手形等で問題はないか、更に担当者個人としても私的なハンドリングを行うなどの問題はないか。そこに「通信ピコ之助と申します」なんて名刺を出されたら、まぁ秒速で「お帰り下さい」だ。「坊やの会社ゴッコに付き合ってる暇はないのよー」とイヤミのひとつも吐きたくなって来る。
そもそも契約書や伝票上の名前はどうなるのだ?取引でモメた時に、あっけなく芸名を変えられて、「ピコ之助という社員はもういません(モメそうだったんで改名してんだよ。ケケケ)」と逃げられる心配はないのか…ともかく、まったくオハナシにならない。

更に人間の「名前」というものに対する深さと意味を全く無視していることも、いや、それこそが気になった。私は文筆業も含め「定成」という摩訶不思議な本名で通しているが、なにしろレアな名字なので必然的に話題になることも多い。
直接のルーツは広島県の旧・因島市で、残念ながら家系図はないが寺の過去帳から3、400年前前では遡れた。実は「定成」は京都の地名で、今でも京都市南区に吉祥院定成町と吉祥院西定成町が残っている。たぶんその前は京都にいたのだろう。

もっともこんなレア名字ではなくても、川島姓ならば元は近江の人なのだろうかとか、矢島姓はもしかしたら横須賀かもしれない等々、よくみる名字にも色々な物語があって、十分すぎるほど話題になる。静岡の某社ではあまりにも鈴木姓が多すぎて混乱するので、社内では名前で呼び合っていて、我々も会議の時はフルネームか名前で呼んだりしていた。それが日本の文化であり、人々の知識、教養である。それを全く無視して、子供の遊びのような奇妙な名前を名乗って…企業としての「民度」の低さに驚いた。

ちなみにそのベンチャー企業はその後、とあるトラブルで大問題となり株式市場を賑わせることになったが、それについては私は関係も興味もない。会社まるごと、我々のビジネス世界とは「別の宇宙」の話だと思っている。

とまぁ、ずいぶん上から目線で、好き勝手なことを書いたが、実はこの「坊やの会社ゴッコ」-マーケティング・プランの会議で「チャイルディッシュなお遊び」などと呼ばれることもあるが-ビジネス・ネームに限らず、広報宣伝や事業展開、デザインなどでもウッカリと陥る可能性がある。しかもベンチャーか老舗か、零細か大企業かにかかわらず、である。以上の文章、ぼんやりしていると陥ってしまう罠として、自戒の念を込めて…。
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